2012年02月25日
授業参観で思う
ちょい前ですが、小学生の息子の授業参観に行って来ました。
教科はめずらしく図工で、息子からも「すげー楽しいから絶対来いよ」なんて言われつつの参観でした。
息子の担任の先生は、元・トレーナーの私から見ても惚れ惚れするぐらいの「理想のトレーナー像」を見せてくれています。少なくとも授業参観を見ている感じではですけど(^_^;)
でも息子から聞く話もまったく悪いところは無いし、完璧。
当日は、各自家庭から布をを持ち寄って、「何かを作る」事。
どーやら事前に、何を作るかの設計図、道具集め等々をやって、「じゃあ実際に作ってみよう」ってのがテーマのようです。
で、ほぼ45分中の35分は「自由に作っていいよ」なんですけど、子供達はクラスの仲間たちと喧々諤々しつつも、超楽しそう。
私はのほほんと見てましたが、お母さんたちはそうでもなかったようで、子供たちがあれこれ悩んだり、作り方が分からない様子に慌てて、自分の子供たちに近寄って「だめじゃない! これはこうするの!」とか、「※※持ってきた? だめじゃない! 昨日持っていけって言ったでしょ! 恥かかるなー」など、超ざわざわ。
うちの子も、30分でできたのは結局布丸めてホッチキスで留めただけ(汗)
まぁー親が焦る気持ちはよく分かりますが、きっとここは「設計図通り行かない事や、やってみて気づくことが大事」という授業だろうと手は出しませんでした。
先生もまったくそのようで、アドバイスはするし、相談にも乗って「こうしたらどう?」みたいな事を言うが、自主性に任せている。
いいよね。私は自主性を重んじる授業って、とても大切だし、やっている方も一番成長や気づきを実感できる楽しい授業だと思っている。
双方メリットがあるにも関わらず、あまり重視されないのは「効率が悪いから」。
効率が悪いと思っているのは教育側であって、受ける側は決してそうではないのですが、「当人の気づき」に依る所が大きいだけに、均一の結果が得られにくいというデメリットがあるからだと。時間もかかるしね。
そういう意味で、この図工を参観教科に選んだ先生からは、なにやらメッセージめいたものを感じた。
これから息子は5年生になるが、息子の学校は至って普通の公立小学校であるにも関わらず、息子の友達のほとんどは、私立の中学受験をするらしい。我が家は「公立でいいんじゃない? 私もかみさんもずっと公立だし」と考えていたんですが、それだと息子はほとんど友達がいない状態で中学に行くことに。また拍車をかけたのが、学区内の中学校が評判が悪い。
ま、卵が先か鶏が先かですが、結果皆中学受験→公立中学はレベル低下→誰も行きたがらないという悪循環がもう数年続いているようです。
これを見てお母さん達の行動は早い。
やっぱりみんな塾に行くんですね。
私も嫁もそんなクチで、塾で面談すると「5教科を2年続ければ余裕で受かります」なんて言われたものだから、即決定。
息子は月・水・木で5教科、各日3時間コースの授業。
帰ってきてからも塾の宿題は半端無く、毎日1~2時間の宿題。
プラス学校の宿題ですからねぇ。
みているとちと可哀想です。
でも周りのみんなが同じように塾に通っているから自分だけじゃないという思いもあるのか、最初は相当凹んでいたものの、いまは頑張ってクリアしてます。それに、上には上がいるもので、同じクラスの子は、帰ってきたら弁当持って塾に行って、夜11時まで勉強、帰ってくるのは12時。それから風呂入って寝るそうです。小学4年生が毎日午前様。恐ろしい事になってますよ最近の小学生は。
自分の事を振り返ると、小学生・中学生ではまったく勉強しなかったですからねぇ。
と、自分の昔の事などを考えると、授業参観で見た図工の授業には、なんだか「ほっとするもの」がある。
気づきや体験とは対局にある、塾の勉強であり受験であり宿題の山。
勉強ってそれだけじゃないよね?
と親たちに訴えているような、そんな尊敬する小学校の先生の授業がソコにありました。
セカセカと塾の宿題のやる息子に聞かれたことあります。
「この算数の分数の問題を解くと、大人になってどんなことができるようになるの?」と。
バカな親ですからまともに答えられませんでした。
「使わねー。ただお前にとっては、中学受験・・・それで使うようになる。それだけだよ」と。
もっとモチベーションあげられるように答えてあげれば良かったのですが・・・。
数学の公式、地図記号の読み方など、もちろん役に立っている人も多いとは思いますけど、受験以外ではまったく使うことが無かった私にとっては、息子が納得がいくような説明はできるはずもありません。分数の掛け算とか・・・使うのか?電卓でいいじゃん・・・みたいな親ですから(^_^;)
そんな毎日を送っているだけに、授業参観の図工の授業は、とてもまぶしく、そして希望と安堵の気持ちで見れました。