2015年02月19日
所沢市の小中学校エアコン住民投票論争は論点がずれてるわ
ニュースになってますこの件、なんか市長側の意識がずれてるなーと勝手に思ってます。
所沢市の住民投票、小中学校への「エアコン設置」が賛成多数 投票率は条件に届かず
経緯としては、
①航空自衛隊が学校上空をとぶことが多く、うるさいから窓を閉めて授業する
②窓閉めれば、夏場は熱くて授業どころではないからエアコン入れろ
という話。
で、保護者達が訴えても導入されないので、住民投票を訴えて実施。
結果、賛成多数56,000票、反対30,000票(総住民数27万人)。
結局市長は、
1.経費がかかる(設置費用は約七十八億円で、国の補助金を除く市の負担は約三十億円)
2.賛成多数とは言え、賛成投票数が全住民の1/3に到達していないから、結果に従う必要は無い。
「財政配分も考慮しながら慎重に考える」とは言っている。
というところが現在ですね。
私自身、企業で社員教育とかを生業にしていた時代もあるので、その観点から言いますと、
騒音、暑さ、寒さの対策ができていない教室は失格
であります。
それは学習効果を上げるためです。
みなさんも体験したことあると思いますが、窓が開いていてささやかでも騒音がすれば、ツマラナイ授業はほっといて、そちら見てしまうじゃないですか。子供心に普段は興味のない道路工事作業を「なにしてるんだろうー」とぼーーーっと眺めたことはないでしょうか?
それと同じで、授業中「あちーなぁー」と思ったら、先生の声はなかなか耳に入らない。「寒い!寒すぎる!」と感じていると、いくら先生が熱血漢でも、生徒は勉強どころではないのです。「勉強したい」「先生の言うことを聞きたい」と思っても、集中できなければ人間は学べない。
当たり前です。
教室に集中できない環境があれば、排除する。
これが企業に於けるトレーナーの最低限鉄則。
なぜ最低限かと言うと、企業での教育ではコスト意識がはっきりしているから。
仕事中に学習時間与えているのは、個人の成長=仕事の幅を広げてもらう為の投資です。
トレーナーはその投資を回収できるようにしなければならい。
参加者が成長できなければ、トレーナーの仕事は無駄です。給料泥棒になってしまいます。
だからまず集中できる環境を用意する。
至極当たり前の事です。
どんな話をするか、どうやって理解してもらうか、どのような方法で学んでもらうかは二の次。
それ以前に集中させる環境を作らなければ、何を言っても何をやっても無駄です。
だから私は思うのですが、保護者が教育現場環境改善の為にクーラー設置の住民投票をしたと聞いて、「ん?先生が言い出したわけじゃなくて?」と思ったのです。この所沢市の教員は何をしているのでしょう?
もし何もしていないなら、ただ単に自分の仕事の範囲を、多少暑かろが煩かろうが、淡々と生徒にスケジュールどおり話せばいいやと思っているんでしょうかね?まぁ~そこまでは思っていないでしょうけど、それにしても、生徒保護者と一緒に立ち上がってもいい気がします。
自分の仕事に誇りを持っているのならば。
ま、そもそも学習効果という意味合いで、先生たち(教育委員会?)がより効果的な教え方を実践しているかは疑問ですが。
※以前の記事
学校の勉強ってどうやったら楽しく勉強できるかという話
「最近の子は軟弱だ」「昔はクーラーなんてなかった」「窓開ければいいやん」とかいう人も居ます。
私も小中学校ではクーラーなんて無かったし。
でも、いまは全然環境が違います。
そもそも温暖化でいまは考えられない暑さです。
所沢市のデータは見つからなかったので、お近くの熊谷市のデータを参考にすると、こんな感じ。
35度以上の日数は、1970年の5日から5倍の25日になっています。
こんな蒸し風呂状態の教室に、30-40人も詰め込んで、「夏なんて窓開けとけばいいんじゃね?」と言えますか?
じーさん達はこの感覚のまま、夏場は熱中症でお亡くなりになっているというニュースも多いのに、投票に行くと「小中学校でクーラーなんて贅沢言うな」と言い放ちます。そらそうです。自分たちはもう集合研修で勉強したり、必死に集中したりしないからね。環境も立場も違う、いわゆる「関係のない人」に「投票」を呼びかける事自体が無意味です。
そこが今回のおかしな点。ずれているんです。
もともといろいろと交渉して決裂したから民意を問うてみたというとこなんでしょうが、傍から見ていてもなんか釈然としないですね。
クーラーを設置するかどうかという議論をするからおかしくなるんであって、教育効果を正しく得られているのか、その改善の為の手法としてクーラー設置が一つあると思うのです。
そもそも35度の猛暑日が25日としても、その間の多くは夏休みだったりしますが、それでも夏休みにドンピシャに当たるわけじゃないから、数日はずれるわけだし、そもそも35度じゃなくても30度でも勉強の集中度としてはアウトでしょう。
私の知り合いは以前会社(というかビル)のクーラー設備が壊れ、予算と工事の関係で1ヶ月も30度以上の蒸し風呂状態で仕事したと言ってました。ただ効率はほぼ0%に近く、全然仕事できないから、皆マックやファミレスに逃げていたそうです。当たり前ですね。
効果が上がらない授業を「我慢しろ」で続け、例えば夏場30日分の効果を失ったら、小中学校は9年あるから、270日の勉強機会損失です。
冬場も単純計算で30日あるとしたら540日。18ヶ月=1年半も失うわけです。航空自衛隊の騒音も入れたら、もっと悪化する。
小中学校29校が対象で、何クラス何人いるか分からないけど各学年2クラスで1クラス30名としましょうか。
1学年60名・・・ 60名x9(小中学校の学年)x29(学校数) =15660人も学生が居て、
所沢市を将来背負う15660人が、9年で1年半は勉強機会損失をしている。
9年のうち1年半無駄になっている可能性があるのを、30億円の投資でカバーできるのなら安いし当然だと思います。
そもそもクーラー29校にクーラー設置するのに、30億、1学校にクーラー設置するだけで1億円以上の見積もりって、普通に考えてもおかしいですけけどね。ぼったくられすぎだろうと。(逆に言うと「クーラー設置を潰す為の見積もり」とも言えますが。高いから諦めろと。)
暑いとかうるさいとか、我慢しろい!
には説得力とロジカルさが無いよね。
市の財政がきついからという理由が主ですが、今の小中学生は将来的に市の財政を背負ってくれる人たち。
教育効果の上がるクーラー一つもグチグチと設置できないのでは、みんな出て行ってしまうよ。
ま、住民投票にまで発展して、いまさら「クーラーつけます」と言っても市長の株は上がらないし、かと言って「全市民の1/3の民意が反映された投票じゃないからクーラー設置しません」と言っても総スカンでしょう。前門の虎、後門の狼とはこの事。
財政という視点で見ても、将来財政を担ってくれるいまの若い世代を育てるのと、福祉に金ばかりかかってしょうがない老人の意見を尊重するのと、どちらが正しいかは考えないでもわかるでしょうにね。若い人を大切にしないと、もう戻ってこないし、そうなれば市の財政は行き詰まるでしょう。
もう少しこういうの読んだほうがいいよ。ほんと。
所沢市の住民投票、小中学校への「エアコン設置」が賛成多数 投票率は条件に届かず
経緯としては、
①航空自衛隊が学校上空をとぶことが多く、うるさいから窓を閉めて授業する
②窓閉めれば、夏場は熱くて授業どころではないからエアコン入れろ
という話。
で、保護者達が訴えても導入されないので、住民投票を訴えて実施。
結果、賛成多数56,000票、反対30,000票(総住民数27万人)。
結局市長は、
1.経費がかかる(設置費用は約七十八億円で、国の補助金を除く市の負担は約三十億円)
2.賛成多数とは言え、賛成投票数が全住民の1/3に到達していないから、結果に従う必要は無い。
「財政配分も考慮しながら慎重に考える」とは言っている。
というところが現在ですね。
私自身、企業で社員教育とかを生業にしていた時代もあるので、その観点から言いますと、
騒音、暑さ、寒さの対策ができていない教室は失格
であります。
それは学習効果を上げるためです。
みなさんも体験したことあると思いますが、窓が開いていてささやかでも騒音がすれば、
それと同じで、授業中「あちーなぁー」と思ったら、先生の声はなかなか耳に入らない。「寒い!寒すぎる!」と感じていると、いくら先生が熱血漢でも、生徒は勉強どころではないのです。「勉強したい」「先生の言うことを聞きたい」と思っても、集中できなければ人間は学べない。
当たり前です。
教室に集中できない環境があれば、排除する。
これが企業に於けるトレーナーの最低限鉄則。
なぜ最低限かと言うと、企業での教育ではコスト意識がはっきりしているから。
仕事中に学習時間与えているのは、個人の成長=仕事の幅を広げてもらう為の投資です。
トレーナーはその投資を回収できるようにしなければならい。
参加者が成長できなければ、トレーナーの仕事は無駄です。給料泥棒になってしまいます。
だからまず集中できる環境を用意する。
至極当たり前の事です。
どんな話をするか、どうやって理解してもらうか、どのような方法で学んでもらうかは二の次。
それ以前に集中させる環境を作らなければ、何を言っても何をやっても無駄です。
だから私は思うのですが、保護者が教育現場環境改善の為にクーラー設置の住民投票をしたと聞いて、「ん?先生が言い出したわけじゃなくて?」と思ったのです。この所沢市の教員は何をしているのでしょう?
もし何もしていないなら、ただ単に自分の仕事の範囲を、多少暑かろが煩かろうが、淡々と生徒にスケジュールどおり話せばいいやと思っているんでしょうかね?まぁ~そこまでは思っていないでしょうけど、それにしても、生徒保護者と一緒に立ち上がってもいい気がします。
自分の仕事に誇りを持っているのならば。
ま、そもそも学習効果という意味合いで、先生たち(教育委員会?)がより効果的な教え方を実践しているかは疑問ですが。
※以前の記事
学校の勉強ってどうやったら楽しく勉強できるかという話
「最近の子は軟弱だ」「昔はクーラーなんてなかった」「窓開ければいいやん」とかいう人も居ます。
私も小中学校ではクーラーなんて無かったし。
でも、いまは全然環境が違います。
そもそも温暖化でいまは考えられない暑さです。
所沢市のデータは見つからなかったので、お近くの熊谷市のデータを参考にすると、こんな感じ。
35度以上の日数は、1970年の5日から5倍の25日になっています。
こんな蒸し風呂状態の教室に、30-40人も詰め込んで、「夏なんて窓開けとけばいいんじゃね?」と言えますか?
じーさん達はこの感覚のまま、夏場は熱中症でお亡くなりになっているというニュースも多いのに、投票に行くと「小中学校でクーラーなんて贅沢言うな」と言い放ちます。そらそうです。自分たちはもう集合研修で勉強したり、必死に集中したりしないからね。環境も立場も違う、いわゆる「関係のない人」に「投票」を呼びかける事自体が無意味です。
そこが今回のおかしな点。ずれているんです。
もともといろいろと交渉して決裂したから民意を問うてみたというとこなんでしょうが、傍から見ていてもなんか釈然としないですね。
クーラーを設置するかどうかという議論をするからおかしくなるんであって、教育効果を正しく得られているのか、その改善の為の手法としてクーラー設置が一つあると思うのです。
そもそも35度の猛暑日が25日としても、その間の多くは夏休みだったりしますが、それでも夏休みにドンピシャに当たるわけじゃないから、数日はずれるわけだし、そもそも35度じゃなくても30度でも勉強の集中度としてはアウトでしょう。
私の知り合いは以前会社(というかビル)のクーラー設備が壊れ、予算と工事の関係で1ヶ月も30度以上の蒸し風呂状態で仕事したと言ってました。ただ効率はほぼ0%に近く、全然仕事できないから、皆マックやファミレスに逃げていたそうです。当たり前ですね。
効果が上がらない授業を「我慢しろ」で続け、例えば夏場30日分の効果を失ったら、小中学校は9年あるから、270日の勉強機会損失です。
冬場も単純計算で30日あるとしたら540日。18ヶ月=1年半も失うわけです。航空自衛隊の騒音も入れたら、もっと悪化する。
小中学校29校が対象で、何クラス何人いるか分からないけど各学年2クラスで1クラス30名としましょうか。
1学年60名・・・ 60名x9(小中学校の学年)x29(学校数) =15660人も学生が居て、
所沢市を将来背負う15660人が、9年で1年半は勉強機会損失をしている。
9年のうち1年半無駄になっている可能性があるのを、30億円の投資でカバーできるのなら安いし当然だと思います。
そもそもクーラー29校にクーラー設置するのに、30億、1学校にクーラー設置するだけで1億円以上の見積もりって、普通に考えてもおかしいですけけどね。ぼったくられすぎだろうと。(逆に言うと「クーラー設置を潰す為の見積もり」とも言えますが。高いから諦めろと。)
暑いとかうるさいとか、我慢しろい!
には説得力とロジカルさが無いよね。
市の財政がきついからという理由が主ですが、今の小中学生は将来的に市の財政を背負ってくれる人たち。
教育効果の上がるクーラー一つもグチグチと設置できないのでは、みんな出て行ってしまうよ。
ま、住民投票にまで発展して、いまさら「クーラーつけます」と言っても市長の株は上がらないし、かと言って「全市民の1/3の民意が反映された投票じゃないからクーラー設置しません」と言っても総スカンでしょう。前門の虎、後門の狼とはこの事。
財政という視点で見ても、将来財政を担ってくれるいまの若い世代を育てるのと、福祉に金ばかりかかってしょうがない老人の意見を尊重するのと、どちらが正しいかは考えないでもわかるでしょうにね。若い人を大切にしないと、もう戻ってこないし、そうなれば市の財政は行き詰まるでしょう。
もう少しこういうの読んだほうがいいよ。ほんと。
Posted by Uni at 21:01│Comments(0)
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